こんにちは、手品店長です。
今回はタイトルにある本を読みましたので、抜粋しながら解説していきます。
自己嫌悪についてとてもわかりやすく解説された良い本です。
自己嫌悪は結果ではなく原因である。という部分だけでも、とても参考になりました。
気になった方は下記リンクから購入して読んでみてください。
著者の伝えたいこと
「自己嫌悪」は結果ではなく「原因」である。
我々のイメージする「自己嫌悪」とは、「〇〇してしまった…」とか、「〇〇しなかった…」などの、
何か原因が起きた結果自己嫌悪に陥る…というものです。
つまり、自分が劣っていると感じた時に起きるものが自己嫌悪ですが、それは全く違うと指摘します。
著者は全く逆に考えていて、そもそも先に自己嫌悪があるから、「〇〇してしまった…」などの
結果を招くとしています。完全に原因と結果が入れ替わっているんですね。
ですから、何をやっても上手くいかない→自己嫌悪するではなく、
自己嫌悪がある→何をやっても上手くいかない
ここの関係性がすごく大切です。私は大いに同意しました。自己嫌悪が先にあるから、
何をするにも自信がもてないし、不安になるし、一歩踏み出せない。このブログの読者にも当てはまるはずです。
「空気を読んでしまう」も自己嫌悪の一種
繊細さん(HSP)などに代表される、察し力の高い人は空気を読むのが上手く、
他人の感情や心境に敏感です。だから繊細さんなどと呼ばれるわけですが…。
この空気を読むという能力、昔はKYなんて言葉もありましたが、いつのころからか皆、
空気を読みながらコミュニケーションを取るようになりました。空気が読めないやつだと思われたくないからです。
この空気を読むという行為について、著者は
もともと。自己嫌悪による「穴」ともいうべきものが心に空いていて、そこを埋めるために「空気を読む」という行為に出てしまうのです。
14Pより引用
としています。
自己嫌悪感の強い人は常に不安や怯えを感じながら生活しており、
空気を読んだり察することで、不安や怯えを解消しよう、紛らわそうとしています。
しかし、空気なんてものは目に見えませんから、そもそも読みようがありません。
その上で、空気の読めない自分ばかりが目に付いて、また自己嫌悪を増幅させていきます。
自己嫌悪→ろくでもない行動→自己嫌悪→ろくでもない行動…悪循環に入ってしまっています。
自己嫌悪があると恋愛が上手く行かない
自己嫌悪のある人は、人に「憧れ」の感情を持ちます。
憧れとは理想とする人物に心惹かれることを意味しますが、
元々は心と身体が離れてさまよい、自分自身を見失うことを意味しているそうです。
人に憧れるという行為は、自分の心と身体が分離してしまい、今ここにない状態になります。
その上で、
この人なら私に欠けている部分(自己嫌悪の部分)を埋めてくれるはずだ!
と、他人に憧れます。
それは、自分に欠けている部分を相手に埋めてもらおうとする行為です。
自分に欠けているものをもっているこの「憧れの人」と仲良くできたら、好きになってもらえたら、認めてもらえたら、この「自分を嫌悪する感情」から逃れることができるのではないだろうか。
25Pより引用
「憧れ」は「自分の欠けている部分(自己嫌悪している部分)」を埋めようとする代替行為である。
「憧れ」の何が問題か
憧れの人はあなたを救ってくれないからです。
そもそも自己嫌悪は結果ではなく原因です。もともと自己嫌悪を持っているから、人に憧れるんでしたね。
ですから、そもそも自己肯定感が低い状態で自分のことを見ています。
- 自己嫌悪を感じる
- 顔が嫌いなどの理由を見つける
- 自分のここが嫌いと納得する
こんな風に、わざわざ自分で、自分を嫌悪する理由を探しては納得することを繰り返しています。
この「自己嫌悪の穴」は、他人には埋められません。自分自身で向き合うしかないのです。
憧れの人に認められても、好きになってもらえても、自己嫌悪は消えません。
頑張っても頑張っても自己嫌悪は消えません。そのための努力が徒労に終わるだけです。
「憧れ」から始まる恋愛が上手く行かないわけ
そもそも憧れが自己嫌悪の代替行為である以上、あなたは相手自身を見ていないことになります。
つまり、
この人なら私に欠けている部分(自己嫌悪の部分)を埋めてくれるはずだ!
これがそもそも妄想であり、相手の意思や人格を尊重していないことになります。
相手に勝手な「像」を押し付けて、それと一致するかどうかで相手を判断しています。
この勝手な期待と押し付けが上手く行かなかった場合、道は2つです。
- 「どうせ私は嫌われるって知ってたよ」と、自己嫌悪が拡大するケース
- 上手く行かない現実を信じず、「上手く行くはずだ」と思い込みを信じるケース
後者が行き過ぎたものがストーカーです。
自己嫌悪から始まる恋愛は、ありのままの相手を好きになっているわけではなく、
自分の中にある「相手の勝手な像」を好きになっているに過ぎません。だから上手く行かないのです。
自己嫌悪があると仕事が上手く行かない
自己嫌悪の強い人は素晴らしい業績を上げたり、昼夜問わず働きまくる傾向にあると著者は言います。
それは、欠けた自己嫌悪の部分を仕事が埋めてくれるからです。
ここについて、私が
「家事も仕事もできるのに他のことはできない」
のは重要度が違うからだと述べた記事との一致を見ました
自分の中での重要度が、自己嫌悪を覆い隠すこと、見ないこと。
その代替行為が仕事や家事というわけです。
自己嫌悪を持つ人ほど、それを埋めるために必死に努力します。
だから周囲からは全て上手く行っているように見えます。
努力している間は、ドーパミンなどのホルモンがドバドバ出ています。
その状態であれば自己嫌悪からくる不快感を感じることがありません。
自己嫌悪のある人にとって努力は逃げであり、現実逃避の手段です。
ただ、これは麻薬です。使えば使うほどハードルを上げなければ、いつか効果が切れます。
自己嫌悪によって高い業績を上げても、決して自己嫌悪は消えませんし、満足もしません。
つねに右肩あがりで拡大し続けなければならない、という「領土拡張主義」にふり回されるのは、人格がぶっ壊れた状態です。
65Pより引用
立場主義という問題
立場主義とは、立場や役を何としても守ろうとする精神のことを指します。
日本人は、自分、もしくは相手がどのような立場(役)を果たすのか異常に気にします。
たとえば母・妻・親・社会人・部長など…。
その立場や役を守る事に固執し、それにしがみつきます。
それも自己嫌悪を埋めるためだと著者は指摘します。立場を守るのは自分に不安を感じるからです。
親であれ部長であれ、それはあなた自身を構成する一部分にすぎず、あなた自身ではありません。
本来のあなた自身を愛することができていれば(自愛)、立場主義にはなりません。
そして、自愛のために必要なことは、
- おいしいものを食べる
- 気持ちのよいところに住む
- よい仲間と共にいる
この3つだけです。
この3つが満たされていれば自己嫌悪は感じないし、自愛を持つことができます。
自己嫌悪から脱出するには
自己嫌悪からの脱出を目指さない
自己嫌悪は幼いころに脳に埋め込まれたもので、それを自分で書き換えることはできません。
脱出できない自分にまた自己嫌悪を感じるだけなので、脱出を目指してはいけません。
とはいえ、ポイントはあります。
ポイント1 自分の行動が自己嫌悪から来ていることに気づく
ポイント2 自己嫌悪に依拠しない行動、自分自身の能力、自分と他人との関係を増やす
111Pより引用
自己嫌悪から意識を視線を遠ざけ、ありのままの自分を見る「自愛」の時間を増やしましょう。
自己嫌悪を自愛で上書きしていくイメージです。それが脱出の近道です。
自愛へ近づくには
感情と身体を接続すること
ストレッチや散歩、ヨガなどの軽い運動で感情と身体を接続し、一致させましょう。
著者はホース・セラピー(馬と接すること)をオススメしています。乗馬体験なんか良いかもしれませんね。
馬は人間を差別しません。ありのままの人間に寄り添ってくれますし、何より頭が良くて可愛いです。
自己嫌悪に振り回されていると、自分の感情を見ることができません。
「自分がどうしたいか?」ではなく、「他人からどう見られているか?」が基準になってしまうからです。
自己嫌悪に囚われていると頭と身体が分かれてしまい、自分の感情を感じることができなくなります。
自分の感情を味わうことが、自愛へ近づく一歩になります。
もし、先ほどの上手く行かない恋愛のようなことがあって、悲しい失恋をしたら…
その気持ちを味わって、常に自分の感情に目を向け、身体と感情を接続しましょう。
それが自愛へ近づく一番のルートです。
自己嫌悪は何から始まっているか
自己嫌悪は親の期待に応えることから始まる
他人の目や評価が気になって、それを基準に生きてしまう状態。
著者はそれを「他人の地平で生きている」と表現しています。
親が自己嫌悪に囚われており、自分がなれなかった姿を子供に投影し、それを期待して子育てした場合、
「ありのままの子供」ではなく、「自分に都合の良い子供像」を押し付けた結果、子供は無意識に親の期待に応えようとします。
こうしなければ悪い子だ、勉強をして、いい大学に入って良い会社に入って…
子供は自分の視点で人生を見るのではなく、親を通して自分を見る視点で人生を見ます。
これが他人の地平を生きている状態です。
子供自身も、ありのままの自分ではなく、「親のフィルターを通して見た自分」を見ています。
まずは自分の中にある親の視点に気づくこと。無意識に親の期待に応えてきたことに気づくことがスタートです。
そして、本当はわかっている自分の視点・自分の感情を、「悪いこと」「いけないこと」と感じて必死で押し殺す。ここから、自己嫌悪が始まります。
121Pより引用
他人の目を気にして生きて、他人に気に入られても、そこに自分の意思がありません。
どんなに他人に好かれても自己嫌悪は止まりません。何せ自分の地平で生きていないからです。
これを何とかしないことには、自己嫌悪から脱出できません。ではどうすれば良いのか
親殺しをすることです。もちろん本当に殺害するわけではありませんよ。
自分の中の親という存在を殺し、親から離れましょう。
実際に離れて暮らしてみたり、連絡を断ったり、親の言うことの反対を行くことも良いでしょう。
ようするに、自分の人生は親ではなく自分で決めることです。
ちなみに私は親と絶縁しています。生きているかどうかも知りません。
自分の地平で生きるとどうなるか
適した言葉が思いつきませんでしたので、そのまま引用します。
まず、息をするのが楽になる。
自分の能力を自然に発揮できるようになる。
無理をすることがもたらす「ゆがみ」が消え、柔らかく生きられる。
123Pより引用
今までと違った生き方を選択するわけですから、時には痛みや困難も伴うでしょう。
それでも結果は確実についてきます。
本書では、「したくないことをせず、したいことだけをする!」と妻に伝えた夫が、半月後に離婚して10キロやせたエピソードが紹介されています。
本当の自分として生きようとするポジティブな事例ですので、是非買って確認してみてください。
安冨 歩/あなたが生き辛いのは「自己嫌悪」のせいである。
最後に
本書はこの後も続くのですが、この後は著者の思想が強い内容ですので、
実際に本書を買って読んでみてください。
いくつかのポイントを復習しましょう。
- 自己嫌悪は結果ではなく原因である。
- 自己嫌悪がある→何をやっても上手く行かない
- 「憧れ」は「自分の欠けている部分(自己嫌悪している部分)」を埋めようとする代替行為である。
そして、自己嫌悪からの脱出を目指すには、
- 自己嫌悪からの脱出を目指さない
- 感情と身体を接続すること
最後に、自己嫌悪の源流は
- 自己嫌悪は親の期待に応えることから始まる
以上6つのポイントに絞って、解説をしました。
まだまだ紹介していない内容がたくさんありますので、気になる方は是非買って読んでみてくださいね。
安冨 歩/あなたが生き辛いのは「自己嫌悪」のせいである。
この記事があなたの助けになりますように。
あなたの隣に、おせっかいなやつら──秘密結社リトルダンサーより🌟